ミスタービッグ(MR.BIG)は、実力派ロック・ミュージシャン揃いのアメリカのハードロック・バンド。
1989年にデビュー、2002年に一度バンドを解散をしたものの、2009年にオリジナル・メンバーの4人で再結成。
しかし2018年2月、ドラマーのパット・トーピー(Pat Torpey)が、かねてから患っていたパーキンソン病の合併症により64歳で死去。
残された3人のメンバーによって、今後ミスタービッグはどうなっていくのか、その動きが注目されますね。
ミスタービッグのアルバムと言えば、大ヒット曲『To Be With You』を収録した1991年のセカンド・アルバム「Lean Into It」ですよね。
何となく1990年代に活躍したバンドというイメージがありますが、実はミスタービッグは、2009年の再結成以降も、数枚の良質なロックアルバムをリリースしています。
以下が、ミスタービッグがこれまで発表したスタジオアルバムの一覧です。
- MR. BIG (1989)
- Lean Into It (1991)
- Bump Ahead (1993)
- Hey Man (1996)
- Get Over It (1999)
- Actual Size (2001)
- What If… (2010)
- …The Stories We Could Tell (2014)
- Defying Gravity (2017)
この記事では、ミスタービッグがデビューから約30年の間に発表してきた9枚のスタジオアルバムをまとめてみます。
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この記事の内容
- 1.ミスタービッグのデビューアルバム「MR.BIG」(1989年)
- 2.ミスタービッグの2ndアルバム「Lean Into It」(1991年)
- 3.ミスタービッグのアルバム3枚目「Bump Ahead」(1993年)
- 4.ミスタービッグのアルバム4枚目「Hey Man」(1996)
- 5.ミスタービッグのアルバム5枚目「Get Over It」(1999年)
- 6.ミスタービッグのアルバム6枚目「Actual Size」(2001年)
- 7.ミスタービッグのアルバム7枚目「What If…」2010年
- 8.ミスタービッグのアルバム8枚目「…The Stories We Could Tell」(2014年)
- 9.ミスタービッグのアルバム9枚目「Defying Gravity」(2017年)
- ミスタービッグのスタジオアルバムまとめ
1.ミスタービッグのデビューアルバム「MR.BIG」(1989年)
超絶技巧派のスーパーバンドという触れ込みから、ハイテク・プレイの応酬が期待されていたミスタービッグ。
ところが蓋を開けてみれば、ファーストアルバム「MR. BIG」のサウンドは、テクニック偏重ではなく楽曲重視の、良い意味で期待を裏切る王道ロック・サウンドでした。
アルバムのオープニング『Addicted To That Rush』では、さっそくイントロでギターとベースがユニゾンの速弾きを披露。
期待通りテクニカルな曲が続くのかと思いきや、その後に続く曲では「これ見よがし」の演奏はほとんどありません。
しかし、余計な装飾をせず、まるでスタジオで一発録りしたかのようなサウンドは、『これがハードロックのお手本』とでも言いたげな、非常に良い緊張感に包まれています。
セカンド・アルバム以降はポップな方向に行ってしまいましたので、ロックが持つ緊張感が最も感じられるアルバムは、このデビュー・アルバムではないでしょうか。
一方、楽曲重視と言いながら、ギターのポール・ギルバートは結構弾きまくっています。
特に『Rock & Roll Over』のエンディングで聞けるボーカルとの掛け合いでは、閃光のようにかっとんだ速弾きを連発しており、今でも聞くと鳥肌が立ちます。
このアルバムでのポールの演奏は、音使いこそ王道ですが、広い音域を超高速で駆け抜けるテクニカルなギター・ソロからは、いわゆる王道のロックギター・ソロとは異なるスリルを感じることができます。
たいていのアーティストのものがそうだが、1stにはそのアーティストの存在感が全身全霊を込めて叩き込まれる。このアルバムはその中でもかなりの極端な例といっていい。Amazon
2.ミスタービッグの2ndアルバム「Lean Into It」(1991年)
セカンドアルバム「Lean Into It」は本国アメリカでプラチナムレコード(100万枚売り上げ)に輝いた、ミスタービッグ史上、最も売れたアルバム。
シングルカットされたポップなバラード『To Be With You』は全米No.1の大ヒットとなり、ミスタービッグは一躍スーパーバンドの仲間入りを果たしました。
そして、バンドはこの『To Be With You』の大ヒットをきっかけとして、結成当初に目指した「ブルージーなブリティッシュ・ハードロック」という方向性から外れ、ポップな方向に進んでいくことになります。
アルバム「Lean Into It」の1曲目『Daddy, Brother, Lover, Little Boy』では、ギターのポール・ギルバートが、なんと電気ドリルを使った演奏を披露しています。(曲のサブタイトルも”The Electric Drill Song”になっていますね)
この電気ドリル奏法は、これ以降のライブで定番のパフォーマンスになりました。
ちなみに日本びいきのミスタービッグ。
ポールが使っているドリルは、日本の電動工具メーカー・マキタ(Makita)のものです。
これ一枚に、MR.BIGの魅力が全部詰まっていると言っても過言では無いでしょう。ロックな曲からブルージー、ポップ、そしてバラードな曲まで、全てがバランス良く詰まっています。Amazon
3.ミスタービッグのアルバム3枚目「Bump Ahead」(1993年)
前作に収録されたパワー・バラード『To Be With You』が大ヒットしたことによって、レコード会社から次のヒット曲を大きく期待されながら完成したアルバム。
バンドは一度、収録曲のレコーディングを完了したものの、レコード会社から、
「To Be With Youのようなキャッチーなバラードを入れなければ、このアルバムをリリースさせない」
と差し戻されます。
バンドはレコード会社のこのような意向を受け、追加でバラード曲を制作、曲の一部を差し替え・追加し、アルバムリリースに漕ぎつけます。
この過程でアルバムに追加された『Wild World』(キャット・スティーヴンスのカバー)がシングルカットされましたが、残念ながら『To Be With You』のような大ヒットには至りませんでした。
キャット・スティーヴンス(英語: Cat Stevens)とは、イギリスのミュージシャン、ユスフ・イスラム(Yusuf Islam、1948年7月21日 – )のかつての芸名。
栄光の頂点にあった1977年に、スティーヴンスはイスラム教に改宗する。その翌年に自らの名前をユスフ・イスラムに改めた彼は、ムスリム共同体の教育問題や慈善活動に身を捧げるために音楽業界を離れた。それから28年後の2006年にポピュラー・ミュージック界に復帰し、『アン・アザー・カップ』と題されたアルバムをリリースしている。
出典:Wikipedia
商業的には前作「Lean Into It」には全く及びませんでしたが、本作は、キーボードを取り入れるなど、より音楽性の広がりを見せており、完成度が高いアルバムと評価されています。
アルバム1曲目のハイスピード・ナンバー『Colorado Bulldog』では、ギター&ベースのハイテク・ユニゾンプレイ。(1曲目にこういった曲を持ってくるのが、ここまで発表されたアルバムのお決まりパターンです)
また、哀愁のあるバラード『Promise Her The Moon』は、大ヒットしたパワー・バラード『To Be With You』とは毛色の違う、しっとりとした幻想的な曲。
この『Promise Her The Moon』は、透き通るようなクリーン・ギターと美しいメロディで、ミスタービッグ・ファンからも、
- ミスタービッグ史上最高のバラード!
- 聴くたびに泣ける。
- To Be With Youよりこっちの方が断然いい!
と絶賛されています。
4.ミスタービッグのアルバム4枚目「Hey Man」(1996)
「Hey Man」は、特に日本で驚異的なセールスを記録したミスタービッグの4作目。(オリコン初登場1位)
これまでのミスタービッグのアルバムは、アップテンポかつ楽器隊がテクニカルなユニゾン・プレイを決める曲で幕を開ける、というのがお決まりパターンでした。
しかしこのアルバム「Hey Man」では、その期待を裏切り、ピアノのイントロで始まります。
シングル『Take Cover』は、この曲を聴きたいがためにアルバムを買ったという人もいるほど、日本で大ヒット。
ファンからもミスタービッグの最高傑作のひとつにあげられる曲です。
ドラムのパット・トーピーによる、16分音符の『ドコドコ』した立体的なタム回しが、非常に印象的。
また、Bメロ、サビと徐々に高揚していく感じがたまりません。
このアルバムの制作過程で、ベースのビリー・シーンと他の3人のメンバーの人間関係がギクシャク。
この後、初のベスト・アルバム「BIG, BIGGER, BIGGEST!」をリリースし、ミスタービッグは活動を休止します。
全体通してバラエティ豊かで、ハードロックにとらわれないブルーズやファンクの要素が鮮やかに出ています。Amazon
ベスト並に捨て曲がありません。どの曲も渋いけど、キャッチーでかっこいいです。Amazon
5.ミスタービッグのアルバム5枚目「Get Over It」(1999年)
活動休止していたミスタービッグですが、3年振りに活動を再開しようとした1999年、なんとギターのポール・ギルバートが脱退します。
バンドは、後任のギタリストとしてリッチー・コッツェンを迎え、新生ミスタービッグ最初のアルバムとなる「Get Over It」を発表。
これまでのミスタービッグの楽曲には、脱退したポール・ギルバートの『ビートルズの影響を受けたポップ・センス』が見え隠れしていました。
しかし、この「Get Over It」では、そのようなポップ性が薄まり、よりブルージーでソウルフルな楽曲が中心となっています。
本作から参加したリッチー・コッツェンは、ソロアーティストとしてのキャリアを持ち、ボーカル・ベース・ドラムを演奏することができるマルチなミュージシャン。
歌の実力も相当のもので、アルバム収録曲『Static』では、ボーカリストのエリック・マーティンと歌の掛け合いを披露しています。
自分がギタリストの為ギターを主に聴いてしまうのですが、テレキャスでしょうか?ギターサウンドが今までの作品で最高です。Amazon
そもそもMR.BIGというバンドはブルースに多大な影響を受けているので、このアルバムこそ彼らがやりたかった音楽なのではなかったのだろうか?Amazon
6.ミスタービッグのアルバム6枚目「Actual Size」(2001年)
このアルバム「Actual Size」は、ギターのリッチー・コッツェンが推薦したリッチー・ズィトーのプロデュースで制作。
ズィトーは過去、コッツェンが関与したアルバムを何枚かプロデュースしている人物。
このことから、リッチー・コッツェン主導でアルバム制作されたことが伺えます。
しかし、このことが後のミスタービッグの解散に繋がることになります。
楽曲自体は、前作のブルースっぽさが薄まり、ポップな曲、ファンキーな曲など、よりバラエティに富んでいます。
このアルバムのレコーディングが行われていた時期、ベースのビリー・シーンは、自分のソロ活動のためにレコーディングを一時離脱。
ハードな曲をアルバムに入れたかったビリーでしたが、彼の不在中、残りのメンバー3人とプロデューサーは、ビリーの意向を無視してアルバムの方向性を大幅に変更します。
これに不満を持ったビリーは、バンドメンバーに対して不機嫌な態度を取り続けたため、バンド側はこのアルバムのリリース直前に、ビリーの解雇を発表。
その後、バンドは解散することとなります。
このアルバムはミスタービッグの中でもあまり注目されないアルバムかもしれないが、楽曲が粒ぞろいで、とてもいいアルバムだと思います。Amazon
スピード感ある強力なハードロックソングはあまりないかもしれないけど、ミスタービッグのポップサイドの楽曲が充実していて、自分の中では一番好きなアルバムかもしれない。Amazon
7.ミスタービッグのアルバム7枚目「What If…」2010年
2002年に解散したミスタービッグですが、それから7年後の2009年に再結成を遂げます。
この再結成では、オリジナルメンバーのギタリスト、ポール・ギルバードが復帰。
そして、再結成後の1枚目のアルバムとして発表されたのが、この「What If…」です。
アルバムのレコーディングは、小さなスタジオで楽器隊3人が顔を突き合わる『ライブ感重視』の手法で行われ、たった2週間で完了したとのこと。
そのため、この「What If…」は、デビュー当時のようなロックバンドならではの緊張感が漂うアルバムに仕上がっています。
14年間の葛藤やら苦闘やらをすべてぶちまけたかのような、骨太なサウンドが圧倒的。メンバー4人の音楽への真摯な姿勢が、スゴい迫力で立ちはだかり、思わず息を呑んでしまった。Amazon
8.ミスタービッグのアルバム8枚目「…The Stories We Could Tell」(2014年)
「…The Stories We Could Tell」は、前作「What If…」から約4年振りとなるミスタービッグ8枚目のスタジオ・アルバム。
このアルバムが発表された2014年、ドラムのパット・トーピーがパーキンソン病であることが公式発表されました。
パットの病状は、既にドラムをほとんど叩けないほどまで悪化。
そのため、このアルバム「…The Stories We Could Tell」のドラムパートは、パット自身がプログラミングした打ち込みドラムが使われています。
またこの時期は、ギターのポール・ギルバートも難聴に苦しめられていました。
このように、メンバーの健康問題を乗り越えて完成されたアルバムです。
このアルバムは全体的に地味なイメージで、これといったテクニカルな演奏も無く、キラー・チューンと言えるほどの際立った曲もありません。
しかし、ブルージーかつエモーショナルな楽曲は、若い頃の勢いこそ無いものの、ミスタービッグが目指していた原点を彷彿させます。
人は楽しい時は、楽しさに溢れた作品を作り、辛い時にはその心情を反映した作品ができるであろうと思います。
この作品からテクニカルなショーは見えてこないんですが、大事な仲間のためにも・・・・・という絆を感じるような気がします。Amazon
9.ミスタービッグのアルバム9枚目「Defying Gravity」(2017年)
このアルバム「Defying Gravity」では、パーキンソン病のドラマー、パット・トーピーに代わって、マット・スター(Matt Starr)がほとんどの曲のドラムパートを叩いています。
マット・スターは、元キッスのエース・フレーリーのバンドなど活躍してきたドラマー。
前作発表後のミスタービッグのツアーでも、ドラムが叩けないパットの代役としてステージに立ちました。
アルバムのタイトルになっている曲『Defying Gravity』のPVでは、笑顔でタンバリンを叩くパットの姿を見ることができます。
今回のアルバムを聴いてまず印象的なのが、全体を通して明るくポップなアルバムだなということ。曲はブルース、ファンク、カントリーやバラードとバリエーション豊かですが、メロディはポップでキャッチーで楽しく製作されたのだろうことが透けて見えてきます。Amazon
一曲一曲が違った色を持っているのでアルバム全体がカラフルで、ワクワクして聴いてるうちに終わってしまいます(笑)Amazon
ミスタービッグのスタジオアルバムまとめ
1989年にデビューしたミスタービッグ(MR.BIG)。
途中、メンバーチェンジや解散・再結成を経ながらも、約30年の間に9枚の良質なロックアルバムをリリースしてきました。
2018年2月にドラマーのパット・トーピーを失ったミスタービッグが、残された3人のメンバーによってどうなっていくのか、今後の動きに注目です。
以上、ミスタービッグのスタジオアルバム一覧・まとめでした。
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- MR. BIG (1989)
- Lean Into It (1991)
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- What If… (2010)
- …The Stories We Could Tell (2014)
- Defying Gravity (2017)