「ルアー釣りもエサ釣りもやってみたい!」という海釣り初心者におすすめなのは、ある程度長さのあるルアーロッド。
8フィート後半~9フィート台(2.5~3メートル程度)のルアーロッドなら、ルアー釣りはもちろん、サビキ釣り、エサを使ったちょい投げ釣りなど、堤防での様々な釣りに対応することができます。
以下の記事では、堤防での様々な釣りに対応でき、値段もお手頃な「万能ルアーロッド」を紹介させていただきました。
>>海釣り初心者におすすめのお手頃で万能なルアーロッド【エサ釣りにも】

しかし、ルアーロッドは2本継ぎのものが多く、仕舞い寸法が140cm前後と結構長くなります。
私は9フィート(2.74メートル)のルアーロッドを持っていますが、長くてコンパクトカーのトランクルームに横積みできないため、後部座席に斜め置きしています。
まあ、釣りに行く際の移動手段がクルマなら何とでもなりますが、これが自転車やバイク、電車などになると、この仕舞寸法の長さがネックになりますよね。
そんな場合に選択肢となるのが、コンパクトで持ち運びがしやすい振り出し式のルアーロッドです。
この記事では、振り出し式ルアーロッドのメリット・デメリット、そして堤防での様々な釣りに対応できて値段もお手頃な、海釣り初心者におすすめ「振り出し式の万能ルアーロッド」を紹介します。
振り出し式ルアーロッドのメリット
抜群の携帯性
振り出し式ルアーロッドのメリットは、何と言っても抜群の携帯性です。
振り出し式は、ラジオのアンテナのように、竿先を引っ張り出して組み立てるタイプのロッド。
テレスコピックロッドなどとも呼ばれています。
テレスコピック(英: telescopic)とは、機械などで重なり合った筒が伸び縮みする構造のこと。出典:ウィキペディア
2本継ぎのルアーロッドに比べて、仕舞寸法が短くコンパクト。
振り出し式の携帯性の良さは、釣りに行く際の移動手段が自転車やバイクの人にはとてもありがたいですよね。
普段使いのバッグに入れておけば、仕事からの帰り道などちょっとした時間に釣りをする、なんていう使い方も。
また、自宅で保管する場合もあまりスペースをとりませんので、家族に邪魔にされる可能性も低くなります(笑)
あらかじめ自宅で仕掛けのセッティングできる
振り出し式ルアーロッドのもうひとつのメリットは、あらかじめ自宅で仕掛けのセッティングができることです。
2本継ぎのルアーロッドだと、釣り場に到着してからロッドにリールを付けて、ガイドにラインを通して、仕掛けを結んで・・・となります。
特に寒い時期は、手が冷たくて外での細かい作業が辛くなりますよね。
その点、振り出し式なら、家を出る前にこのような一連の作業を済ませておくことができますので、釣り場に到着したらすぐに釣りを始めることができます。
振り出し式ルアーロッドのデメリット
振り出し式のルアーロッドは、2本継ぎのロッドに比べて継ぎ目が多いので、その構造から一般的に、
- 強度を保つために竿自体が太く・重くなる
- ロッドの曲がり方(調子)が不自然
- しなやかさやパワーが不足する
といった傾向があると言われていますが、最近では振り出し式ロッドの製造技術が進歩し、2本継ぎのロッドに引けを取らない性能を持つようになってきました。
しかしながら、やはり振り出し式ロッドは、2本継ぎロッドに比べて構造が複雑なため、そこからくるデメリットがあるのも確かです。
振り出し式ルアーロッドは価格が高い
振り出し式ルアーロッドは、最も普及している2本継ぎのロッドに比べて価格が高くなる傾向があります。
振り出し式は構造が複雑ですので、やはりシンプルな2本継ぎと同等の性能を出すためにはコストが掛かってしまうのでしょう。
例えば、ダイワの入門者向けルアーロッドで比較すると、2本継ぎのルアーニスト 86MLは約6,000円ですが、これと同等性能を持つ振り出し式のクロスビート 864TMLFSは約8,000円。
ですので、携帯性をさほど重視する必要が無いなら、2本継ぎのルアーロッドのほうが安く済ませられます。
ガイドのズレ
振り出し式のロッドは、釣り始めにガイドをきちんと一直線に揃えても、釣っているうちにガイドがズレてくる時があります。
ガイドがズレていると、ラインにかかる摩擦が増え、ルアーの飛距離が落ちるだけでなく、ラインにダメージを与えてしまいます。
ですので、振り出し式のロッドを使う場合は、ルアーを投げる際にガイドがズレていないかを目でチェックして、ズレていたら一直線に直してあげるという作業が必要になります。
ロッドが伸びたまま元に戻らなくなる
振り出し式のロッドで良くあるのが、伸びたまま元に戻らなくなるトラブルです。
特に、先ほどお話ししたガイドのズレや、釣っている途中で不意にロッドが縮んでしまうといったトラブルを防ぐために継ぎ目を強く伸ばした場合に起こりがちです。
元に戻らなくなったロッドを力づくで直そうとすると、最悪、竿を折ってしまいます。
私は、固着したロッドを直そうと、ガイドをつかんでぎゅっとロッドを捻り、ガイドを壊してしまったことがあります。
ロッドを立てて地面にコンコンと打ちつける、氷で固着した部分を冷やして収縮させるなど様々な直し方がありますが、それでもダメな場合は釣り具屋に修理に出すことになるでしょう。
お手頃で万能なおすすめ振り出し式ルアーロッド
構造が複雑な振り出し式ルアーロッドは、2本継ぎにはない扱いにくさ・トラブルがあるのは事実。
しかし、振り出し式の抜群の携帯性は、何物にも代えがたい最強のメリットですよね。
そんな振り出し式ルアーロッドの中で、堤防での様々な釣りに対応可能、そして価格もお手頃な、海釣り初心者におすすめなロッドを紹介します。
1. お手頃で万能な振り出し式ルアーロッド「ダイワ クロスビート」
1958年創業の老舗釣り具メーカー、ダイワ(DAIWA)。
そのダイワからリリースされている振り出し式ルアーロッドが「クロスビート」シリーズです。
「クロスビート」シリーズのコンセプトは、様々な魚種と釣り場をカバーできる適応力と、破格なコストパフォーマンスの実現。
その中で、特に防波堤での「万能ルアーロッド」として活躍してくれる8フィート後半~9フィート台のモデルは、
の3機種です。
クロスビート 864TMLFS | クロスビート 904TMLFS | クロスビート 965TMFS | |
---|---|---|---|
全長 | 8.6フィート(2.59m) | 9.0フィート(2.74m) | 9.6フィート(2.90m) |
継数 | 4本 | 4本 | 5本 |
仕舞寸法 | 76cm | 80cm | 70cm |
自重 | 135g | 140g | 150g |
適合ルアー重量 | 5~28g | 5~28g | 7~35g |
「クロスビート」の性能で注目すべき点は、やはり仕舞寸法です。
同じダイワの入門者向け2本継ぎルアーロッド「ルアーニスト」は、仕舞寸法が140±10cm程度。
それに対して、振り出し式の「クロスビート」は70~80cmと、ルアーニストの半分程度の長さですね。
また、適合ルアー重量は「ルアーニスト」とほぼ同じですが、軽さの点では「クロスビート」の方が上。
特に、9.6フィートモデルでは、ルアーニスト 96MLが190gであるのに対して、クロスビート 965TMFSはわずか150g。
ただし、このクロスビート 965TMFSは、遠投性能をより重視しているため、竿の硬さがミディアムに設定されており、万能ルアーロッドとしては少し硬めです。
堤防釣りのターゲットは小物~中型の魚がメイン。
硬めのロッドだと、小物狙いの際にアタリが取りにくい、軽いルアーが使いにくい、といったデメリットが出てきます。
そのため、堤防での万能ルアーロッドとしては、小物から大物まである程度広く対応できるミディアムライトのクロスビート 864TMLFS・クロスビート 904TMLFSが使いやすいのではないでしょうか。
これなら、数グラムの軽いワームから30g弱のメタルジグまで幅広く扱えるほか、8号(30g)程度のオモリを付けての投げ釣りが可能です。
非常に感度がいいです。PEライン0.8号、重り7号ちょい投げで60m以上は普通に飛びますね。(864TMLFS)Amazon
この硬さなら5g位のルアーでも大丈夫そうです。70cmのシーバスがかかったのですが、安定感があり取り込みが楽でした。(904TMLFS)Amazon
2. お手頃で万能な振り出し式ルアーロッド「シマノ フリーゲーム」
シマノは、2021年に創業100周年を迎える老舗釣り具メーカーのひとつ。
釣り具のほか、自転車部品・ボート用品も作っています。
そのシマノから2018年夏にデビューした振り出し式ルアーロッドが「フリーゲーム」シリーズです。
ルアーはもちろん、他釣種でも活躍するコンパクトな本格マルチロッドというのがフリーゲーム・シリーズのコンセプト。
これまでの普及価格帯振出竿にありがちなダルさや、不自然な曲がりを克服。シマノ振出竿の技術を応用することで、2ピースロッドと遜色ないスムーズで美しい曲がりを実現。出典:シマノ
そんなフリーゲーム・シリーズの中で、特に防波堤での「万能ルアーロッド」として活躍してくれる8フィート後半~9フィート台のモデルは、
の3機種です。
フリーゲーム S86ML-4 | フリーゲーム S90ML-4 | フリーゲーム S96M-4 | |
---|---|---|---|
全長 | 8.6フィート(2.59m) | 9.0フィート(2.74m) | 9.6フィート(2.90m) |
継数 | 4本 | 4本 | 4本 |
仕舞寸法 | 74.1cm | 78.2cm | 82.2cm |
自重 | 140g | 150g | 155g |
適合ルアー重量 | 5~35g | 5~35g | 7~48g |
フリーゲームの価格帯・ラインナップは、先ほど紹介したダイワのクロスビートをかなり意識したもの。
デビューしたばかりのフリーゲームは、まだまだユーザーレビューが少ないですが、カタログスペックの上ではクロスビートとの違いがほんの僅かですので、両者が良きライバルとなること必至です。
なお、両者のスペックを詳しく比較してみると、適合ルアー重量はフリーゲームの方が少しだけ広めですが、重さではクロスビートに軍配が上がりますね。
また、9.6フィートのフリーゲーム S96M-4も、遠投性能を重視しているためか、竿の硬さがミディアムに設定されています。
小物~中型の魚がメインの堤防釣りでは、小物から大物まである程度広く対応できるミディアムライトのフリーゲーム S86ML-4・フリーゲーム S90ML-4が良さそうです。
専用ロッドには当然叶わないがこれ1本で幅広く対応でき、振り出しなのに重量がすごく軽く9.6ftあるとは思えません。初めの一本や荷物を減らしたい方にオススメです。(S96M-4)Amazon
3. お手頃で万能な振り出し式ルアーロッド「ダイワ モバイルパック」
これまで紹介した振り出し式ルアーロッドは、仕舞寸法が70~80cmと、2本継ぎルアーロッドの半分程度でした。
しかし、さらにコンパクトに収納できるルアーロッドが欲しい!というあなたにおすすめなのが、同じくダイワの「モバイルパック」シリーズです。
モバイルパック・シリーズの仕舞寸法は、なんと50cm程度。
「モバイルパック」は、価格は抑えたいけれど、性能にも極力妥協したくない、しかもマルチに使えるコンパクトなロッドがほしいという要求に応えるオールマイティなルアーロッド。
そして、このシリーズの中で、特に防波堤での「万能ルアーロッド」として活躍してくれるモデルが、
の3機種です。
価格は1万円台前半と、他のシリーズの1.5倍以上はしますので、価格より携帯性を優先、という方におすすめのシリーズです。
モバイルパック 866TMLS | モバイルパック 907TMS | モバイルパック 967TMHS | |
---|---|---|---|
全長 | 8.6フィート(2.59m) | 9.0フィート(2.75m) | 9.6フィート(2.90m) |
継数 | 6本 | 7本 | 7本 |
仕舞寸法 | 54cm | 52cm | 54cm |
自重 | 116g | 155g | 162g |
適合ルアー重量 | 5~28g | 7~35g | 10~40g |
他の振り出し式ルアーロッドは、継ぎ数が4~5本でしたが、このモバイルパックでは継ぎ数を6~7本に増やすことで、よりコンパクトな仕舞寸法を実現しています。
なお、モバイルパックは竿の硬さが以下のように設定されています。
- モバイルパック 866TMLS:ミディアムライト(ML)
- モバイルパック 907TMS:ミディアム(M)
- モバイルパック 967TMHS:ミディアムハード(MH)
小物~中型の魚がメインの堤防釣りでは、数グラムの軽いワームやメタルジグを使いたくなる場面がありますので、ミディアムハードのモバイルパック 967TMHSだと、ちょっと硬すぎるかな・・・。
万能ルアーロッドとして使用するなら、小物から大物まである程度広く対応できるミディアムライトのモバイルパック 866TMLSが最適でしょう。
隣の人がハマチを上げていたので(中略)ジャカジャカ巻いているとハマチがヒット。
散々走り回られましたが、モバイルパック866TMLSがしなやかにぐいっと曲がって何とか耐えてくれました。
ぎりぎり取り込みにも成功。40cm程の小型青物でした。(866TMLS)Amazon
携帯性抜群のお手頃で万能な振り出し式ルアーロッドまとめ
振り出し式ルアーロッドのメリット・デメリット、そして堤防での様々な釣りに対応できて値段もお手頃な、海釣り初心者におすすめの「振り出し式の万能ルアーロッド」を紹介しました。
振り出し式は、2本継ぎのロッドに比べて構造が複雑なため、トラブルが起きやすく、価格もちょっと高め。
でも、抜群の携帯性は、2本継ぎロッドには無い最大のメリットです。
振り出し式の万能ルアーロッドを持って、自転車やバイク、電車などで気軽に釣りに出かけてみてはいかがでしょうか。
以上、堤防で様々な釣りが楽しめて携帯性も抜群、海釣り初心者におすすめの、振り出し式万能ルアーロッドについてでした。



>>海釣り初心者におすすめのお手頃で万能なルアーロッド【エサ釣りにも】


