- アメリカ英語とイギリス英語、勉強するならどっちがいいの?
- 日本人が身に付けるならどっちがお得なの?
アメリカ英語とイギリス英語。この2つの違いについては、ネットでたくさんの方が情報を発信していますよね。
でも、私たち日本人が身に付けるなら、どっちがお得なのか?
よく見かける意見は、
- アメリカに滞在予定がある人はアメリカ英語を
- イギリスに滞在ならイギリス英語を
- どっちも無いなら好きなほうで
- イギリス英語のほうが丁寧で上品な印象を与えるから、国際的なビジネスの世界で活躍するならイギリス英語のほうがいい
こんなところでしょうか。
でも、海外に滞在する予定も、バリバリ国際的にビジネスする予定もない人はどっちを選べばいいの?
ということで、私なりに『日本人が身に付けるならアメリカ英語・イギリス英語のどっちがお得なのか?』を考えてみました。
結論としては、アメリカ英語を選んでおくのが「合理的」だと思います。
アメリカ英語とイギリス英語の違いって?
ところで、アメリカ英語とイギリス英語ってどんな違いがあるのか?
細かいことはさておき、上の動画を1:50あたりからご覧いただくと、アメリカ英語・イギリス英語それぞれの一般的なイメージがなんとなく分かると思います。ちょっと誇張しすぎの感はありますがw、
- アメリカ英語はフレンドリーでルーズ
- イギリス英語のほうが丁寧で上品
こんな感じでしょうか。
アメリカ英語とイギリス英語の細かい違いについては、他にたくさんのサイトで詳しく説明されていますので、ここでは代表的なものをさらっと紹介したいと思います。
「そんなのもう知ってるよ!」という人は、ここを飛ばしてアメリカ英語を選んでおけばいい理由にお進みください。
1. 発音の違い
発音の面では特に「R」の発音の違いが有名ですよね。アメリカでは「R」をガッツリ発音しますが、イギリスは「R」をはっきり発音しない。
waterやcarは、イギリスだと「ウォータ」「カー」と日本のカタカナ英語に近い音になるので、発音の点で言えば日本人にはイギリス英語のほうが入りやすいという意見があります。
2. スペルの違い
アメリカ英語とイギリス英語のスペリングの違いも有名ですよね。少しだけ例を挙げると、
- アメリカ:center, color, program, traveling
- イギリス:centre, colour, programme, travelling
このように、同じ意味の英単語でもアメリカ英語のほうが簡略化されているとイメージしていただければ良いと思います。なので、アメリカ英語の方が覚えやすいっちゃ覚えやすいですかね。
イギリスの公的機関ブリティッシュ・カウンシルによると、16~17世紀にアメリカに移り住んだイギリス人が英語の辞書を作る際、母国イギリスからの文化的な独立を示すために、わざわざ英単語のスペルを変えたとか。
3. 単語そのものの違い
同じ単語のスペルの違いのほか、例えばエレベーターを表す英単語がアメリカではelevator、イギリスではliftといったように、単語そのものが違う場合があります。
あとは、ズボンはアメリカではpantsだけど、イギリスではtrousersとか。
アメリカが建国された後に世に出てきたものや他の国から入ってきたものは違っても仕方ないかなと思いますが、ズボンとか昔からあるものも違うというのが不思議ですね…
4. 文法の違い
文法の違いで有名なのは、現在完了形ではないでしょうか。
例えば財布を無くして今も探している、買い物できなくて今も困っているといったように、過去に起きた出来事の効果がまだ続いている時は、
I have lost my wallet.
と現在完了形を使うと習ったと思います。
これを単純に過去形にして、
I lost my wallet.
とすると、『以前財布を無くしたことがある』と、過去の出来事が現在と切り離されます。
イギリス英語ではこの2つをしっかりと使い分けますが、アメリカ英語では過去形ひとつで済ませることが多いです。
アメリカ英語を選んでおけばいい3つの理由
色々と細かい違いがあるアメリカ英語とイギリス英語ですが、日本人が身に付けるならどっちが良いのか?
思い入れや好みといった要素を無視して、通用性・合理性といった点で言えば、以下の3つの理由から、アメリカ英語を選んでおけばいいというのが私の結論です。
1. アメリカ英語を話す人のほうが圧倒的に多い
国連統計部(UNSD)が出している国別の人口(2019年)を見ると、
- アメリカ 約3.3億(328,240千人)
- イギリス 約0.7億(66,797千人)
アメリカの人口は、イギリスの約5倍です。
人口=話者数と考えるのは単純化しすぎかもしれませんが、それでもこの人口の差を見れば、アメリカ英語の話者数が圧倒的に多いと言えるのではないでしょうか。
なお、オーストラリア・香港などかつてイギリスの植民地だった国を「イギリス英語を話す国」と捉える向きもありますが、それぞれまた違った英語として発展していますので、この記事では考慮しないことにします。
2. アメリカ英語のほうがネット上の情報量が圧倒的に多い
先ほどお話したように、アメリカ英語とイギリス英語の違いのひとつに、同じ英単語のスペルの違いがあります。
このスペルの違いを利用して、ネット上の情報量が多いのはアメリカ英語・イギリス英語のどっちなのかを見てみたいと思います。
やや乱暴ですが、Google検索結果数を比較すれば、ウェブ上での情報量の差を示すひとつのデータとなるのではないかと思います。
では、さっそくGoogleで2つスペルの検索結果数を比べてみましょう。
- color(アメリカ英語) 98億
- colour(イギリス英語) 10億
このように、アメリカ英語のcolorが、イギリス英語の約10倍も多いですね。
もうひとつ検索してます。
- center(アメリカ英語) 80億
- centre(イギリス英語) 36億
やはりこちらもアメリカ英語のcenterの検索結果数が2倍以上。
また、同じ意味でも単語そのものが全く違うというパターン。
野菜の「ナス」を表す英単語を、アメリカ式・イギリス式それぞれGoogle検索結果数を見てみると、
- eggplant(アメリカ英語) 0.6億
- aubergine(イギリス英語) 0.3億
やはりこちらもアメリカ英語が2倍と多いですね。
以上の比較から、単語によってバラつきがあるのでこれだけでは明確な数字が出せませんが、アメリカ英語のほうが圧倒的にネット上の情報量が多いと言えるのではないでしょうか。
3. イギリス人はアメリカ英語を理解できるけれど逆は微妙
上の動画は、イギリス人の女性が「アメリカ人はイギリス英語を理解できるの?」というテーマで話している動画です。
ネット上には、これ以外にも同じようなテーマを扱った様々な記事や動画がありますが、それらによると、イギリス人はアメリカ英語を問題なく理解できるそうです。
これは、イギリスではアメリカのドラマや映画がたくさん放映されており、イギリス人は子供の頃からアメリカ英語に慣れ親しんでいるから。
ただしこれが逆になると微妙なようで、アメリカ人はあまりイギリス英語に慣れ親しんでおらず、イギリス英語特有の単語や表現を理解できないことが良くあるようです。
アメリカ英語とイギリス英語、身に付けるならどっちがお得?まとめ
色々と細かい違いがあるアメリカ英語とイギリス英語。
海外に滞在する予定もない、特にどっちが好きというコダワリも無い日本人が身に付けるなら、アメリカ英語とイギリス英語のどっちがお得なのか?
通用性・合理性といった点で言えば、以下の3つの理由から、アメリカ英語を選んでおけばいいと思います。
以上、アメリカ英語とイギリス英語、身に付けるならどっちがお得?でした。