アニメの広告などで見かけるCV:誰々という表記。
このCVは『Character Voice』の略語で、『声優』の意味として使われていますよね。
しかし、英語学習者的には残念なことに、この声優=Character Voiceは、完全なる和製英語です。
この記事では、
- なぜ「声優=CV」が使われるようになったのか?
- 「声優」は英語で何と言うのか?
をお話ししたいと思います。
なぜCVが声優の意味として使われた?
私たちのような昭和生まれのオヤジには、
CV:誰々
よりも、アニメ「サザエさん」のエンディングロールのように
声の出演:誰々
の方がしっくりくるんですけどね。
意外にも、この「声優=CV」は、ここ最近使われ始めたわけではありません。
Wikipediaによると、1980年代後半、アニメ雑誌『アニメック』で副編集長を務めていた井上伸一郎氏の提唱により使われ始めたとのこと。
なぜ井上氏は、わざわざ声優=Character Voiceという和製英語を提唱したのか?
・・・残念ながら、当時のソースを見つけられなかったため、井上氏の真意を知ることはできませんでした。
しかし、いずれにしても「声優=CV」は、既に数十年も使われ続けているアニメ用語だということ。
えいさら
声優=CVは海外で意味が通じる?
日本が世界に誇るアニメやマンガ。
これらは、海外でもそのまんま
- アニメ=Anime
- マンガ=Manga
として定着していますよね。
私たちが知らないだけで、実は「声優=CV」も海外では定着している可能性も?
と調べてみましたが、残念ながらそういった情報はありませんでした。
えいさら
「声優」は英語でなんて言う?
では、声優を英語で何と言えばいいのか?
声優は英語でvoice actor
英語では声優のことを、
voice actor(女性の場合はvoice actress)
と言います。
以下、voice actorの定義を、英英辞典「メリアム=ウェブスターオンライン辞典」より。
- Definition of voice actor
- : an actor who provides voice-overs or who voices characters in animated films, video games, etc.
画面に映らないナレーション(voice-over)をする人や、アニメやゲームなどに登場するキャラクターの声を演ずる人。
つまり、声優ですね。
作品の「声優陣」はvoice cast
ちなみに、関連する英語表現にvoice castというのもあります。
以下、同じくメリアム=ウェブスターより。
- Definition of voice cast
- : the set of actors who voice the characters in an animated film, television show, or video game
set of ~は「一連の、ひとそろえの」という意味です。
つまり、voice castは、ひとつの作品の中で演じている一連の声優陣ということになりますね。
なお、英語学習に『英英辞書』を取り入れると、たくさんのメリットがあります。
以下の記事で、そのメリットとオススメの英英辞書を紹介しています。
>>英英辞典のメリット|英語学習初心者にオススメなのはコレ!
声優=CVを止めようとの動き
和製英語に苦しめられている私たち英語学習者。
えいさら
と心から思いますよね。
そして、それが和製英語だと知ってしまうと、その言葉を見るたびに、何とも言えない違和感を覚えてしまいます。
えいさら
Wikipediaでは声優=CVを廃止
しかし、この違和感は、私たち英語学習者だけが感じているものではないようです。
Wikipedia上に、アニメの作品記事等における「CV」表記に関してと題された議論の痕跡がありました。
2005年に行われたこの議論では、
- そもそもCV=Character Voiceは和製英語
- CVという略語は「声優」以外の意味でも使われている
という理由から、Wikipedia内では「声優=CV」を使うのを止め、
声の出演:○○
といった書き方に切り替えよう、という結論が出ています。
えいさら
ちなみに私の場合、CVと聞いてまず頭に浮かぶのは、履歴書(curriculum vitae)です。
CVはそれ以外にも、
- 顧客評価(customer value)
- 戦闘車両(combat vehicle)
といった略語としても使われているようです。
声優=CVまとめ
『CV:誰々』はCharacter Voiceの略語で、声優を意味するアニメ用語。
英語学習者としては残念なことに、完全なる和製英語です。
英語ではvoice actor(voice actress)と言います。
この和製英語「声優=CV」の歴史は意外と古く、1980年代後半から使い続けられています。
しかし、Wikipedia内では
- そもそもCV=Character Voiceは和製英語
- CVという略語は「声優」以外の意味でも使われている
という理由から、「CV」の使用を止めています。
このように、声優=CVという表記に違和感を持っているのは、和製英語に苦しむ私たち英語学習者だけではないと言えるでしょう。
先日アニメを見ていたら「CV」という表記を見て違和感を感じ、意味を調べていたところ、こちらのページにたどり着きました。
とても興味深い内容ですね。
声優の野沢雅子さんが「声優はキャラクターに命を吹き込む仕事」とおっしゃっていましたが、「キャラクター・ボイス」という言い方はむしろ軽すぎる印象があります。
以前吹替の表示で「as」を使ったのを見たような気がしますが、「as」のほうが野沢さんの意図に近い気がしますね。
以前SonyのWalkmanが文法的にはおかしいということが言われたのですが、外国の人もWalkmanと呼ぶようになって定着したというのがありますが、「Character Voice」はどうですかね?違和感のほうが大きい気がします。
コメントありがとうございます!
たしかにおっしゃるとおり、英語のvoice actorに比べると、Character Voiceという表現は軽く感じますねw
海外サイトでは見かけないので、やはり定着していないものと思います。
Walkmanは商品名なので、受け入れられたのもわかる気がしますね。