「英単語の意味をすぐ忘れてしまう」
「英単語帳を買ったのはいいけど、なかなか意味が覚えられない」
英単語の意味ってなかなか覚えられないですよね。
一回見たはずの英単語の意味を思い出せないと、自分の記憶力の悪さにがっかり。
私は、何度も単語帳をカベに投げつけそうになりました・・・。
でも、それは私たちの記憶力が悪いからではありません。
それは、私たち人間の記憶システムが、一度見ただけで英単語の意味を覚えられるほど優秀ではないからです。
では、どうすれば英単語の意味を覚えられるのか?
この記事では「英単語の意味をすぐに忘れてしまう」と悩む人がやるべき、英単語を覚える3つのコツをお話します。
英単語の覚え方・コツ1:ペンキを重ね塗りするように何度も読む
英単語帳を使った単語の覚え方で一番大事なコツは、その単語帳を何度も読むこと。
一度で全部を覚えようとしても、私たち人間の記憶システムの特性上、まあ無理です。
ペンキを重ね塗りするように、何度もその単語帳を読む。
この「重ね塗り」をすることで、収録されている英単語の意味が少しずつ記憶に定着していきます。
忘却曲線 – 復習しないとドンドン忘れていく
このグラフは、カナダのウォータールー大学が公開している忘却曲線(Curve of forgetting)です。
最初に1時間の講義を聴き、日数が経つにつれてその講義内容の記憶の程度がどのように変化するのかを表しています。
まったく復習しなかった場合
まず、グラフの黒い曲線。
これは、講義を聴いたあとに復習をまったくしなかった場合です。
講義を聴いた初日(Day 1)は、もちろん講義内容を100%覚えています。
しかし、翌日(Day 2)には講義内容の50~80%を忘れてしまいます。
そして、講義から30日後(Day 30)には、なんと講義の内容を2~3%しか覚えていません。
つまり私たち人間は、一度聴いただけでは、その内容を時間の経過とともにドンドン忘れてしまうということですね。
復習した場合
では、講義を聴いたあと復習を取り入れた場合はどうなるか。
オレンジ色の曲線がその場合の記憶の程度を表しています。
まず講義の翌日(Day 2)は、10分間の復習を行うことで、1時間の講義の内容をほぼすべて思い出すことができます。
そして、7日後は5分間の復習で、30日後はたった2~4分間の復習で、講義の内容のほとんどを思い出すことができます。
単語帳を何度も読むことでどんどん記憶が定着していく
このデータが示すとおり、私たちの記憶システムには、
- 一度頭に入れた情報は、何もしないと時間の経過とともにどんどん忘れていく
- 復習をすることで記憶を保つことができ、また復習すればするほど短い時間で記憶を呼び戻せるようになる
といった特性があります。
つまり、単語帳に載っている英単語を一回で覚えようとしても無理ということですね。
とにかく英単語帳は何周も読むこと。
一度見たはずの英単語の意味をほとんど思い出せず、自分の記憶力の悪さに愕然とすることもありますが、くじけずに3週目・4週目と繰り返していくうちに、すぐに意味を思い出せる英単語が少しずつ増えていきます。
意味が思い出せなかった単語に執着せず、どんどんページを進めていきましょう。
英単語の覚え方・コツ2:意味を頭の中でイメージする
英単語を覚える時は、ただ単語帳に書かれている意味を文字として覚えるのではなく、意味を頭の中でイメージ化することが大切です。
これは、英語の意味を素早く理解するためには、日本語を介さずに「英語を英語のまま理解する」必要があるためです。
例えば、英単語帳にcarという単語が書かれていたとします。
●car(英語)
↓
●クルマ・自動車(日本語)
↓
(イメージ)
このように、いちど脳内で日本語に翻訳していると、特に英会話ではネイティブが話すスピードに理解が追い付きません。
carという英単語を見たら、
●car(英語)
↓
(イメージ)
このように、日本語を介さなくてもぱっとクルマの絵がイメージできる。
これが、英語を英語のまま理解するということになります。
当たり前ですが、単語帳には英単語の意味が日本語で書かれています。
これを単に文字情報として覚えるのではなく、頭の中に映像を思い浮かべる。
そうすれば、実践の場でその英単語に出会った時に、いちいち日本語に意味を置き換えることなく、英語のまま意味を理解できるようになります。
英単語の覚え方・コツ3:例文をリスニング+声に出して読む
例文をリスニング
単語帳には、英単語と一緒にその単語を使った例文が載っていることが多いです。
また、ネイティブがその例文を読み上げる音声CDが付いていたり、そのような音声をネットからダウンロードできる場合が多いと思います。
こういった例文の読み上げ音声を聴くことで、
- 収録されている英単語の発音を耳で覚えられる
- 英語リスニング力そのものがアップ
といった効果が得られます。
私も読み上げ音声をスマホに取り込んで、昼休み、夕食を作りながら、そしてベッドに入ってから(確実に寝落ちしてましたが)といったように、スキマ時間に聴いていました。
例文を声に出して読む
英単語や例文の意味が定着してきたら、例文を声に出して読み上げる『音読』をオススメします。
例文の読み上げ音声を何度も聴いていると、例文を読み上げるリズム・強弱が自然と体に染み込んできますので、できるだけそれを再現するような感じで行います。
そして、例文の音読で一番大事なことは、例文に描かれているシーンを思い浮かべて、まるで自分がその場にいるかのような気持ちで読み上げることが大切です。
つまり「発話実感を込める」ということですね。
私は、英語の発音をしっかり勉強せずに音読したため、あとで発音の矯正に苦労しました。
英語の発音はできるだけ早い段階で勉強した方が良いです。
先を急いで発音練習をスキップしても、いつか私のように英語力の伸び悩みを感じることになるかもしれません。
どうしても覚えられない英単語があるときは・・・
「ペンキを重ね塗りするように英単語帳をくりかえし読んだ」
「英単語の意味を頭のなかでイメージしながら読んだ」
「でも、やっぱり覚えられない英単語がある・・・」
これは、私たちの記憶力の問題ではなく、1冊の英単語帳での限界ではないかと私は考えています。
英単語は、色々な文脈の中で何度も出会うことによって、意味や使われ方が私たちに刷り込まれていきます。
でも、英単語帳だと、ひとつの英単語はその単語集に1回しか出てきませんよね。
そして、あなたがなかなか覚えられない英単語は、
- 日本語で意味を読んでもピンとこない抽象的な英単語
- 自分がまったく興味がないジャンルの英単語
このように、意味を頭の中でイメージしにくい英単語ではないでしょうか。
そういう英単語には、ちょっと手間をかけてやる必要があります。
以下、私が実際にやっていた、どうしても意味が覚えられない英単語の覚え方を2つ紹介します。
1. ネットで例文を片っ端から読む
英単語帳をいくら読んでも覚えられない英単語は、さまざまな英文の中でくり返し出会う必要があります。
そして、インターネットは例文の宝庫。
その英単語を使った例文、それも英語ネイティブスピーカーが発信した実践的な英文がいくらでも見つかります。
例えばindividualという英単語を使った例文を見たい場合、
「individual english sentences」
というキーワードでGoogle検索してみてください。
ネイティブスピーカーがindividualを使って書いた例文がたくさん出てくるはずです。
ただし、当然これだと和訳がありませんので、和訳が無いとキツイという場合はWeblio英語例文検索をおすすめします。
Weblio英語例文検索なら、豊富な例文を和訳つきで見ることができます。
2. 英英辞書で英単語の意味を読む
英単語帳で日本語の意味を見てもピンとこない英単語がある。
そんな時は、英英辞書で意味を確認すると、その英単語の意味をイメージしやすくなる場合があります。
英英辞書と聞くと、
「知らない英単語の意味を英語で説明されてもわかるかよ」
と、とっつきにくいイメージがあります。
でも、英語学習者向けの英英辞書なら、中学レベル+アルファのやさしい英語で書かれています。
例えばこの記事で先ほど例に上げたcar。
この意味を英語学習者向けの「ロングマン現代英英辞典」で見てみると、
a vehicle with four wheels and an engine, that can carry a small number of passengers
「4つの車輪とエンジンが付いた少人数を運べる車両」と説明されています。
ご覧のとおり、そんなに難しい英単語は使われていません。
また、この説明を読むと、自動車の映像がありありと目に浮かんだのではないでしょうか。
このように、英単語の意味を日本語で見てもピンとこない時は、英英辞書のほうがその英単語の意味をイメージしやすい場合があります。
なお、英英辞書を使うメリットやオススメの英英辞書については、以下の記事をご覧ください。
関連記事:英英辞典のメリット|英語学習初心者にオススメなのはコレ!
英英辞典のメリット|英語学習初心者にオススメなのはコレ!単語帳を使った英単語の覚え方・コツまとめ
英単語帳を使った英単語を覚える時のコツは、
- ペンキを重ね塗りするように何度も読む
- 意味を頭の中でイメージする
- 例文をリスニング+声に出して読む
そして、単語帳のなかに、どうしても覚えられない英単語があるときは、
- ネットで例文を片っ端から読む
- 英英辞書で英単語の意味を読む
このように、ちょっと別な角度からその英単語をみることで、意味をイメージしやすくなります。
以上、単語帳を使った英単語の覚え方・コツについてでした。
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