- TOEIC730点レベルの英語力ってどの程度?
- TOEIC730点レベルの世間での評価って?
この記事は、そんな疑問を持つ人に向けて書いています。
TOEICスコア730点以上は、TOEICの5段階レベル(A~E)のうち上から2番目のBランク。
TOEIC730点レベルは「かなり英語がデキる人」というイメージがありますよね?
まあ実際に自分がそのスコアに到達すると、実はTOEIC730点レベルは大したことがないということに気づくんですけどねw
でも、あなたが取得した(または目標としている)TOEIC730点レベルは決して残念なものではありません。
それは、TOEIC730点レベルは世間でそれなりに評価されているから。
この記事を読めば、
- TOEIC730点レベルの実際の英語力
- TOEIC730点レベルの一般的な評価
を知ることができます。
ちなみにこの記事を書いた私のスペックは、
- 40代の中年サラリーマン
- 独学でTOEIC930点を取得
- 会社の国際部門に勤務
- ESAC®認定 ジュニア英語学習アドバイザー
- TEFL/TESOL(英語教授法)コース修了

教材レビュー記事には忖度なし
TOEIC730点レベルの実際の英語力
英語とは無縁の社会人生活を送っていた私ですが、突然の人事異動で社内の国際部門へ。
これをきっかけに英語の独学をスタートし、5ヶ月後のTOEIC初受験で745点を取得しました。
社会人が独学でも英語を話せるようになった「たった1つの理由」とは?
では、TOEIC730点をちょっと超えた当時の私の英語力はどの程度だったのか?
- リスニング
- リーディング
- スピーキング
- ライティング
の4技能に分けて振り返ってみます。
1. TOEIC730点レベルのリスニング能力
外国人と1対1で話す場合は、相手の言っていることをおおよそ理解することができました。
しかし、部分的に聞き取れなくて、相手が言っていることを話の流れから推測することも多々ありました。
また、しっかりと聞き取れるのは、こちらの低い英語力に合わせてスピード・英単語レベルを調整してくれる相手だけ。
ネイティブスピーカーから遠慮なしのフルスピードで話しかけられると、ほとんど理解できませんでした。
特に、英語で複数人が話している場面では全くのお手上げでしたね。
当然、海外のTVドラマや映画も字幕なしではほとんど理解不能。
ニュ―スも、自分が知っている話題であれば、
「ああ、あの事件のことを言ってるんだな」
程度にはわかりましたが、細かいところはほとんど聞き取れませんでした。
2. TOEIC730点レベルのリーディング能力
英文のリーディングでは、いわゆる「返り読み」をせずに長文を読むことができませんでした。
英語を日本語の語順に並べ替えて意味を理解しようとするクセのこと。
例えば I like music. という英文を自然な訳文(私は音楽が好きです)になるように意味を理解しようとすると、
I / music / like. = 私は/ 音楽/ が好きです
という順番になります。
でも、英語を理解するスピードを上げるには、
I like music = 私は/ 好きです/ 音楽
と英語の語順そのままで意味を理解する必要があります。
中学レベルの簡単な英文なら返り読みしなくても余裕で理解できましたが、文法的に込み入ってくると、
「どこまでが主語なんだ? 動詞はどれだ?」
と文章の構造を1度では読み取れず、何度か読み直さないと理解できませんでした。
また、英字新聞や海外のネットニュースは、意味がわからない単語が多すぎて読めませんでした。
ただし辞書をひきながらではあるものの、海外のサイトで調べものをしたりなど、情報源が格段に拡がったのは、英語を勉強して良かったと思えるメリットのひとつでした。
英語を学習する前は、英語のサイトで情報を得るという発想すらありませんでしたからね・・・
3. TOEIC730点レベルのスピーキング能力
スピーキングは、知っている単語を並べて何とか意思疎通はできる、いわゆるブロークンイングリッシュでした。
正しい文法かつフルセンテンスで話そうと思っても、口に出すまでにかなりの時間がかかります。
話したいことを日本語で考えて、それを脳内で英訳する感じですね。
「あー、うー・・・」
と脳内翻訳しているうちに、応答を待ちきれなくなった相手から
「つまり、これは○○っていうことで良い?」
と先に言われ、結局はYes・Noだけで用が足りてしまったりw
がんばって脳内で組み立てた文章も、文法的に間違っていることがしょっちゅうでした。
- 動詞の現在形・過去形
- 三人称単数
- 単数形・複数形
などなど、中学1年レベルの英文法ですら正しく使いこなせませんでした。
つまり、正確な英文法かつフルセンテンスで英語を話すことがほとんどできませんでしたね。
4. TOEIC730点レベルのライティング能力
たまに仕事で英語のメールを書いたり英語の文書を作っていましたが、辞書や文例なしでは無理でした。
そして、その頃に自分で書いた英文を見直してみると、英語として不自然な表現だらけです。
これは、
- 最初に日本語で文章を考える
- それを英語に直訳する
という順番で英作文していたため。
また、英語として自然な表現のストックが少ないため、日本語を直訳した(日本語的な表現に引きずられた)不自然な文になりがちだったということですね。
そして英文を書くのに凄まじい時間を要していました。
日本語なら3分で作れる文章が、英語だと2時間かかったりとか。
TOEIC730点レベルの英語力まとめ
私がTOEIC730点レベルだった頃の実際の英語力を、4技能に分けて振り返ってみました。
まとめると、
- 1対1かつ相手がこちらのレベルに合わせてくれれば、おおよそ話を理解できる
- 単語を並べたブロークンイングリッシュで、なんとか意思疎通はできる
- 何度か読み直したり辞書で意味を調べたりすれば、内容を理解できる
- 英語として不自然な表現が目立つが、辞書や文例を使いながら英文を書ける
このように、決して流暢ではありませんが英語で何とか意思疎通できる、つまり、
「私、英語できます」と自信を持って言えるレベルではないが、ある程度は英語が使える
これが、TOEIC730点レベルの実際の英語力です。
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TOEIC730点レベルの一般的な評価
この記事をここまで読んで、
「TOEIC730点レベルの英語力はそんなもんか・・・」
と思ったあなた。
確かにTOEIC730点レベルは、胸を張って「英語ができます」と言える実力ではありません。
しかし、実際の英語力はさておき、TOEIC730点レベルは世間一般にその英語力が認められているのも事実です。
既にTOEIC700点を超えたあなたは、これまでに数100時間(人によっては1,000時間以上)を英語の勉強に費やしてきたはず。
その努力は、認められて当然でしょう。
ここからは、あなたが取得した、あるいは英語学習の目標としているTOEIC730点レベルは『結構スゴイんだ!』と前向きに感じられる話をしたいと思います。
1. TOEIC730点は企業が認めるレベル
TOEICで730点以上を取っていれば、就職や転職の際にかなり選択肢が拡がります。
求人サイトを見ていると、特にグローバル展開している企業の求人では、TOEICのスコアを応募要件、あるいは歓迎要件にしている場合が多いですよね。
ちなみに、「歓迎要件」とは、必ずしもその要件を満たしている必要はないけれども、これを満たしていれば選考で優位に働く可能性があります。
TOEICを要件にしている求人を見てみると、TOEIC730点以上あれば多くのグローバル企業の応募要件をクリアできそうです。
例えば、
■パナソニック
海外人材開発部門(海外出張あり)
歓迎要件としてTOEIC730点以上
■アマゾン
カスタマーサービス
英語力の目安としてTOEIC700点以上
など。
TOEIC730点は、グローバル企業からもそれなりに評価されているレベルと言えます。
2. TOEIC730点は英語を『教える』側に求められる基準
TOEIC730点は、英語を教える先生に求められる英語力の基準になっています。
日本政府は、英検準1級程度の英語力を持つ英語担当教員の割合を、
- 高校 75%
- 中学 50%
にすることを目標にしています。
英検準1級『程度』、つまり、英検以外の試験でも、英検準1級に相当する成績を取れば、この基準を満たしている教員としてカウントされます。
この基準、TOEICの場合は730点以上になります。
文部科学省では、毎年度、小・中・高校の英語教育の状況を調査し、その結果を「英語教育実施状況調査」として公表しています。
平成29年度の調査結果によると、この英検準1級程度を持つ先生の割合は、
高校では65.4%、
そして、
中学ではわずか33.6%。
以上から、
- TOEIC730点は、英語を『教える側』に必要な英語力として評価されている。
- TOEIC730点は、英語を教える先生でも簡単には取れないスコア
だと言えます。
ちなみに、ここ数年の推移をみると、この基準を満たす先生の割合は順調に伸びているようです。
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3. TOEIC受験者のうち730点以上は4人に1人だけ

TOEIC公式ページには、受験者のスコアの分布をあらわした資料が掲載されています。
これによると、TOEIC受験者のうちスコア700点以上を取得している人の割合は約27%。
730点以上となると、これよりやや少なくなり、おそらく25%程度。
つまり、
730点以上を取れるのは、TOEIC受験者の4人に1人だけ
ということです。
この4人に1人という割合、TOEICの受験者の中で考えれば、決して『希少な存在』とは言えません。
しかし、TOEIC受験者は、会社や学校からTOEICのスコアを求められている、あるいは自ら進んでTOEICを受験するなど、少なからず英語力の習得へのモチベーションが高い集団です。
そのような集団の中で、730点以上、つまり上位25%に入れる英語力は、十分にスゴイことなのではないでしょうか。
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TOEIC730点以上は英語習得のメリットを感じられるスコア
別な記事に詳しく書いていますが、
TOEICスコア735点以上の日本人ビジネスパーソンのほぼ全員が、
- 収入が増えた
- 仕事の選択肢が増えた
- 知り合いが増えた
といった英語習得によるメリットを感じているというデータがあります。
特に収入については、
TOEICのスコアが無い人と比べて、TOEIC700点台の人は平均年収が約100万円高い
という、英語学習者が歓喜するようなデータもあります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
【96%が実感】社会人が英語を勉強するメリットとは?収入も上がるって本当?
TOEIC730点レベルについてまとめ
TOEICスコア730点レベルの英語力は、残念ながら「私、英語できます」と自信を持って言えるレベルではありません。
しかし、決して流暢ではないものの、英語を使って色々なことができるようになってくるレベルでもあります。
また、TOEIC730点レベルは、
- グローバル企業が採用時の英語力として認めるレベル
- 英語を『教える』先生が求められる基準
- 英語へのモチベーションが高いTOEIC受験者という集団でも、4人に1人しか取れないスコア
と、一般的に見れば十分に高い英語力レベルと言えます。
そして、TOEIC730点レベルは、英語を習得したことによるメリットを感じることができる段階でもあります。
あなたが取得した、あるいは学習の目標としているTOEIC730点レベルは『結構スゴイんだ!』と、前向きに感じてもらえれば、そして、さらに高い英語力を目指すモチベーションに繋げていただければ幸いです。
