TOEICスコア860点以上は、TOEICの5段階レベルでいうと、A~Eのうち最高のAランクになります。
しかしこのAランク、特にネットの世界では、
「TOEIC860点オーバーでも英語しゃべれないヤツ多すぎ」
「TOEICでAランクなんて全然使えねえし」
なんていう否定的な声もたくさん聞こえてきますよね。
では、TOEICスコア860点レベルの実際の英語力・実力はどの程度なのか?
残念ながら、結論としては、
TOEIC860点レベルは「私、英語がペラペラです」と胸を張って言えるほどの実力ではありません。
でも、
「TOEIC860点なんて全然使えねえ」
なんてことは決してありません。
むしろ、
TOEIC860点レベルは、英語でできることもたくさんあります。
私は、いわゆる『大人のやり直し英語学習』を始め、5か月後にTOEIC初受験で745点を取得。
その後も、
745→820→870
と順調にスコアを伸ばすることができました。
(※その後930点を取得しました)
この記事では、そんな私がTOEICスコア870点を取得した当時の英語力を振り返ってみます。
TOEIC公式資料で見る860点レベルの英語力
その前に、TOEIC公式ページに掲載されている「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」で、860点のレベルを見てみます。
これによると、私が取得したスコア870点は、レベルA~Eの5段階のうち、最高のAランクに当たります。
(Aランクは860点以上ですので、辛うじてですが・・・)
そして、TOEIC860点以上の人は、以下のコミュニケーション能力レベルを持っているとされています。
Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる。
自己の経験の範囲内では、専門外の分野の話題に対しても十分な理解とふさわしい表現ができる。
Native Speakerの域には一歩隔たりがあるとはいえ、語彙・文法・構文のいずれをも正確に把握し、流暢に駆使する力を持っている。
これだけ見ると、TOEIC860点以上はかなりの英語力ですね。
英語学習者として、ここまで到達できれば十分ではないでしょうか。
しかしながら現実は・・・ということで、以下、実際の英語力についてお話しします。
TOEIC860点レベルの実際の英語力
TOEIC870点を取得した当時の自分の実力を、4技能に分けて見てみます。
なお、私がTOEIC730点レベルだった頃との比較を交えながらお話ししていきます。
私がTOEIC730点レベルだった頃の英語力については、以下の記事をご覧ください。
>>TOEIC730点レベルの実際の英語力・一般的な評価とは?
リスニング
まずは英語リスニングの実力です。
1対1での英会話なら、相手の言っていることをほとんど理解できます。
TOEIC730点レベルの時も、1対1ならそれなりに相手の話を理解することはできました。
しかし、860点レベルになると、クリアさが違います。
感覚的には、聞こえてきた英語を脳内で日本語に和訳することなく、英語が英語のまま、すっと入ってくる感じがするようになりました。
一方、
- ネイティブスピーカー同士の会話
- 海外のTVドラマや映画・ニュース
では、何となく話している内容がわかる時もありますが、理解が追いつかない、あるいはほとんど聞き取れないことの方が多いです。
この辺は、TOEIC730点レベルの頃と比較して、多少改善は見られますが、劇的な変化は無いですね。
スピーキングの実力
次に、スピーキングの実力についてです。
英語がフルセンテンスでスラスラと口から出てくることが多くなりました。
特に、一度英語で話したことのある内容をまた話す時は、
「俺、英語ペラペラじゃね?」
と勘違いしてしまいそうな程、自然に話せるようになりました。
この辺は、
- 瞬間英作文トレーニング
- オンライン英会話レッスン
といったスピーキング練習の効果が大きいですね。
>>瞬間英作文は効果あり|たった2カ月で英会話がウマくなった私がレビュー
>>Bizmates(ビズメイツ)の効果|たった1か月でビジネス英会話が上達した私が評価します
また、一人で海外出張する際、例えば空港やホテルでトラブルが起きても、言葉が話せなくて困るといったことは無いです。
この点は、自分でも『英語力が上がった』と感じるところです。
初めて海外に行ったときは、ハンバーガーひとつ頼むのも一苦労だったので・・・
しかし、言い慣れていないことを咄嗟に話さなければならない時は、流暢さが格段に落ちます。
そのような時は、頭の中が『日英翻訳モード』に入っています。
言いたいことが日本語で頭に浮かぶ
↓
浮かんだ日本語を頭の中で英訳
このモードに入ると、別人のように流暢さが無くなり、「あー、うー」となります。
必要な英単語・英文法が頭の中で見つからず、応答できない時もあります。
また、あいまいな返事は苦手ですし、ちょっとした咄嗟の一言がなかなか口から出てこないことが多々あります。
文法的に間違えることも結構あります。
口に出した後で「あっ!」と文法の間違いに気づき、言い直したりとか。
リーディング
英文を読むスピードが、TOEIC730点レベルの時と比べて格段に上がりました。
特に、背景知識がそれなりにある英文は、ほとんど返り読みしません。
しかし、
- 英字新聞・ネットの海外ニュース
- 得意分野以外の専門的な内容の英文
は、意味がわからない単語が多くて読むのを挫折することも多いです。
ここは、730点レベルの頃から劇的な変化は無いですね・・・
ライティング
最後に英語ライティングの実力です。
ビジネスシーンの日常的なメールは、ほとんど辞書を引かなくても書けるようになりました。
これは、仕事で英語のメールをたくさん読んでいるため、ナチュラルな英語表現のストックが増えたこも大きいかな・・・
しかし、同じ内容を日本語で書く場合と比べると、内容にもよりますが、10倍以上の時間がかかっているような気がします。
スピーキングはその場限りなので、多少おかしな表現をしても意味が通じれば良いですが、特にビジネス・ライティングでは、文法・語彙の正確性、ビジネスにふさわしい英語表現が求められますので、そのあたりへの配慮に時間を取られるといった感じでしょうか。
TOEIC860レベルの英語力まとめ
以上、TOEIC860点レベルになった自分の英語力を、4技能に分解して見てみました。
これをまとめると、
【英会話】
- 1対1なら、相手の話をほとんど理解できる
- 良く知っている内容をフルセンテンスで話すことができる
【読み書き】
- 背景知識がある英文なら、返り読みしなくても頭から読んで理解できる
- 日常的なメールなら、辞書を使わなくても書くことができる
ということで、
TOEIC860点レベルは、自分が良く知っている内容・得意分野に関することであれば、かなり流暢に英語でコミュニケーションすることができます。
どうでしょうか?
「TOEIC860点なんて全然使えねえ」
という程ひどいレベルではありませんよね?
むしろ、
「TOEIC860点レベルになれば、英語でこのぐらいのことができるんだ」
と思っていただけると幸いです。
その一方、
- ネイティブスピーカー同士の会話はほぼお手上げ
- 海外ドラマ・映画もほぼお手上げ
- 英字新聞・ネットの海外ニュースもほぼお手上げ
と、まだまだ「私、英語がペラペラです」と胸を張って言えるレベルではないことも確かです。
なお、TOEIC860点レベルを別な視点から見た以下の記事も、ぜひご覧ください。
>>TOEIC860点以上はすごい! 公式データから見るその評価