「TOEICの500点台ってどのくらいのレベルなの?」
「TOEIC500点台で点数が停滞している」
「TOEIC500点台からもっと点数を伸ばすにはどうしたらいいの?」
この記事では、独学でTOEIC900点を超えた社会人の私が、
- TOEIC500点台のレベル
- TOEIC500点台からもっと点数を伸ばすための勉強方法
についてお話します。
TOEIC500点台のレベルって?
TOEIC500点台は平均よりやや英語ができる部類
TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2018
上のグラフは、TOEICを運営している「国際ビジネスコミュニケーション協会」」が公開している、TOEIC公開テストのスコア分布です。
ご覧の通り、TOEIC500点台が最も多く、全体の20%を占めています。
このことから、TOEIC500点台は、受験者の中で平均レベルであることがわかります。
一方で、TOEICには公開テストの他にIP TESTというのがあります。
TOEIC IP TESTは、TOEIC公開テストの過去問を使って企業や学校単位で実施される、いわゆる「団体受験」のタイプ。
先ほど紹介したTOEIC公開テストは、受験者が自発的に申し込むテスト。
つまり、公開テストは、英語の勉強へのモチベーションが高く、社会全体から見ればハイレベルな集団です。
それに比べて団体受験のIP TESTは、
「なんで俺が英語のテストを受けなきゃなんないんだよ」
と不平を言いながら強制的に受験させられている、英語に無関心な社員・生徒が多く含まれていると考えられます。
つまり、IP TESTのほうが、より社会全体の英語力を反映している、と言えます。
そして、このIP TESTのスコア分布が下のグラフです。
ご覧のように、300点台~400点台の人数がかなりの割合を占めています。
このIP TESTでは、TOEIC500点台は上位4割に入ります。
IP TESTの2017年の平均点は467点。
つまり、社会全体でみれば、TOEIC500点台は平均よりもやや英語ができるレベルと言えます。
TOEIC500点台は英検2級程度のレベル
上の表は、TOEICの点数と英検の級の相関性を示す調査結果です。
このデータによれば、英検2級を持っている人のTOEIC平均スコアは528点。
このことから、TOEIC500点台の英語力は英検2級レベルと言えます。
英検の公式サイトによれば、この英検2級は高校卒業程度、大学入試レベル。
つまり、TOEIC500点台は、大学入試に挑戦する現役の受験者と同じぐらいの英語力と言えます。
やはりTOEICは700点レベルを目指したい
TOEIC500点台は、社会全体から見れば平均よりやや英語ができるレベル。
ですが、
「TOEIC500点台は履歴書には書かなくていいレベル」
「履歴書に書くなら最低でも700点レベル」
と言われるように、いわゆる「英語ができる人」とまでは評価されていないのが現実。
やはり英語を武器にしたいなら、少なくともTOEIC700点レベルを目指したいところです。
TOEIC700点台は、就職・転職の際に応募の選択肢が増えるといったメリットが見えてくるレベルです。
TOEIC730点レベルの実際の英語力・一般的な評価とは?>>TOEIC730点レベルの実際の英語力・一般的な評価とは?
TOEIC500点台からもっと点数を伸ばすための勉強方法
私は会社の国際部門で働く一方、社員の英語対応力の強化にも携わってきたので、たくさんの人のTOEICスコアや英語力を目にしてきました。
その経験から言うと、TOEIC500点台の人がTOEICを受けると、
「なんとなくこれが答えかな・・・」
という感じで、自信をもって答えられる問題が少ないかと思います。
また、リーディングは最後まで解き終わらず、最後の20問ぐらいは時間切れで塗り絵しているのではないでしょうか。
ここからTOEIC700点台まで点数を上げるには、英語の勉強に400時間~600時間かけて英語力を底上げする必要があるでしょう。
>>TOEICは何時間勉強すれば点数がアップするのか?目安を教えます
そのためには、
英語力の底上げを妨げている苦手な部分は何か?
を把握することから始めることをオススメします。
アビリティーズ・メジャードで何が苦手かを把握する
TOEICを受けたことがある人は、TOEICスコアの公式認定証と一緒に、アビリティーズ・メジャード(ABILITIES MEASURED)が書かれたシートを郵送で受け取っているはずです。
英語の苦手な部分を把握するために、アビリティーズ・メジャードを活用します。
アビリティーズ・メジャードには、受験者全員の平均正答率と、あなたの正答率が示されています。
記載されている正答率は、リスニング、リーディングそれぞれ5項目です。
TOEIC500点台は、TOEIC公開テスト受験者の中では平均的なスコア。
ですので、英語力のバランスが良ければ、あなたの正答率はどの項目でも平均正答率に近いはず。
しかし、平均正答率と比べて極端に低い項目がある場合は、それが英語力アップを妨げる原因になっている可能性が高いです。
逆に言えば、そのほかの項目は平均より高い正答率になっていますので、弱点さえ潰せば、平均スコアである500点台を突破できる可能性が高いです。
このように、まずはアビリティーズ・メジャードで苦手な部分を把握して、そこを潰すための勉強をすることをオススメします。
では、苦手な部分が把握できたら次に何をすればいいのか、具体的かつ苦手な項目別にお話します。
1. 語彙力(英単語力)が足りない
TOEIC500点台で語彙力(英単語力)が足を引っ張っている人は、初~中級者レベルの英単語がしっかり身についていない可能性があります。
やはり知っている英単語の数が少ないと、全体的なパフォーマンスが上がりません。
ここは、英単語帳を使うなどして、集中的に英単語力アップを図るべきでしょう。
オススメの英単語帳は「銀のフレーズ」
ここでオススメしたい英単語帳は、銀のフレーズ
銀のフレーズ
収録されている例文は、TOEICを毎回受験している著者が書いただけあって、いかにもTOEICに出そうなものばかりです。
「最短ルートで600点」と、TOEIC600点をめざす人向けの英単語帳ですが、英単語力が原因でTOEIC500点台に留まっている人は銀のフレーズ
おそらく身についていない英単語が結構あるのではないでしょうか。
銀のフレーズを終えたら「金のフレーズ」へ!
そして、銀のフレーズ
こちらも実際のTOEICテストでよく出る重要な英単語1000語をまとめたもの。
金のフレーズ
この2冊をやり込めば、TOEICに出てくる英単語のかなりの割合をカバーすることができます。
2. 英文法の理解が足りない
TOEIC500点台で「英文法の理解不足」が英語力の底上げをさまたげている場合、
TOEIC模試で文法問題の解答を見ても、
- なんでこれが正解になるのかわからない
- 解答の説明を読んでもよくわからない
英文法の理解がたりなくてTOEIC500点台にとどまっている場合は、中学~高校で習ったレベルの英文法の知識があやふやな可能性が高いです。
英文法がわからないと、パート5&6の穴埋め問題が解けないばかりでなく、長文を正しく読みこなすことも難しくなります。
長文を読んでいて、どこまでが主語なのか、どれが動詞なのかパッとわからないことが多くないですか?
このような場合は、いちど中学~高校レベルの英文法を復習することをおすすめします。
中学・高校レベルの英文法を一冊でカバーする「All in One Basic」
私が英文法の勉強でオススメするのはALL IN ONE Basic
このALL IN ONE Basic
- 英単語
- 英熟語
- 英文法
- リスニング
これらを1冊で習得できることを売りにした、つまり「オールインワン」な教材。
ですが、英文法がとてもわかりやすく解説されているため、私もこのシリーズで文法を復習しました。
最後に、『ALL IN ONE Basic』をマスターすると、どれくらいの「英単語・熟語」と「英文法の項目」が身につくのかを具体的に見てみよう。
まず、英単語・熟語は「2100語」覚えられる。単語・熟語のレベルは、中学3年~高校2、3年生レベル。だから、英検で言えば、準2級から2級のレベル。
「文法」については、「これだけ身につけておけばもう一生困らない」というぐらいに、大事な項目がきちんと網羅されている。
3. リスニングが苦手
最後に、リスニング項目の正答率が低い場合。
TOEIC500点台で足踏みしている人は、リスニングパートの会話問題の理解度が、
- なんとなく話題がわかる時もある
- でもやっぱり正直あまり聞き取れない
といったレベルではないでしょうか。
リスニング不足ならTOEICリスニング問題を聴きまくる
まず考えられるのは、リスニング量の不足。
とにかくリスニング量を増やすことが大切です。
TOEICスコアアップには、TOEICのリスニング問題を素材にするのが手っ取り早いです。
質の高いTOEIC問題集を手に入れたら、何度も問題を解きなおす。
そして、音源をスマホに入れて、精聴・音読・スキマ時間での聞き流しと徹底的に活用する。
これによって、TOEICリスニング問題の形式に慣れつつ、リスニング力そのものをアップしていきます。
TOEIC公式問題集
また、私が特にオススメしたい問題集はTOEIC精選模試リスニング。
ていねいな解説、予想スコアの精度といった点で「公式問題集を超えた」と言われているTOEIC問題集です。
ナレーターはTOEIC本番テストと同じではありませんが、これ1冊にリスニング問題がなんと500問も収録されています。
意外と盲点なのが英語の発音
リスニングの正答率が低い場合、まず疑われるのはリスニング量の不足。
しかし、意外と盲点なのが英語の発音です。
一般的に、自分が発音ができない音は聞き取れないと言われています。
そして私自身、リスニングの点数に打ち止め感があった時に、発音練習したらリスニングの点数がすっと上がったという経験があります。
英語の発音は、日本語のそれとはかなり違うためカンペキさを求める必要は無いと私は思っています。
しかし、ある程度は身につけておかないと、いつか見えない壁に阻まれます。
ちょっと遠回りに思えるかもしれませんが、将来的に高い英語力の獲得を目指すなら早い段階で発音を身につけておくのがオススメです。
以下の記事では、英語の発音を学べる本をいくつか紹介しています。
スマホアプリでスキマ時間を有効活用
TOEIC500点台を700点台まで上げるためには400~600時間の勉強時間が必要。
でも、忙しい生活の中で何時間も英語の勉強時間を確保し続けるのは難しいですよね・・・。
できるだけ短期間で目標の点数を達成するためには、スキマ時間の有効活用がカギ。
上で紹介した苦手な項目ごとの勉強に加えて、アプリを使った勉強を取り入れることをオススメします。
スキマ時間の活用に最強のTOEIC対策アプリはスタディサプリENGLISH TOEIC対策コース
このTOEIC対策コース
また、演習問題は、TOEIC本番テストに限りなく近いクオリティかつ1セクションをほんの数分で終えることができます。
通勤時間や昼休みはもちろん、信号待ちやエレベーターでの移動時間に演習問題を1問解いたりなど、スキマ時間の有効活用を徹底的に追及したアプリです。
TOEIC500点台のレベルとさらに点数を伸ばすための勉強方法まとめ
TOEIC500点台は、社会全体でみれば平均よりもやや上の英語力。
英検では2級レベル(高校卒業レベル・大学受験レベル)にあたります。
でも、英語を武器にしたいなら、メリットが見え始めるTOEIC700点レベルを目指したいところ。
TOEIC700点台まで点数を上げるには、英語の勉強に400時間~600時間かけるつもりで英語力を底上げする必要があります。
そのためには、英語力の底上げを妨げている苦手な部分を把握することから始めることをオススメします。
苦手な部分の把握には、TOEICスコアの公式認定証と一緒に送られてくるアビリティーズ・メジャード(ABILITIES MEASURED)に注目。
正答率が平均より低い項目が、英語力アップを妨げる原因になっている可能性が高いです。
苦手な項目がわかったら、あとはそれを潰すための勉強をして英語力を全体的に底上げします。
以上、TOEIC500点台のレベルと、そこからさらに点数を伸ばすための勉強方法についてでした。